「今月はいくら売り上げれば黒字になるのか」と悩む経営者は少なくありません。
損益分岐点とは、利益がゼロになる売上高のことで、費用を固定費と変動費に分けて初めて算出できます。
本記事で取り上げるのは、計算式や業種別の分類基準、比率の読み方などです。
読み終える頃には、自社の黒字ラインを自分で計算できるようになります。
損益分岐点とは?利益がゼロになる売上高を管理会計で読み解く
経営者であれば、「今の売上高でどれだけ利益が出ているのか」を数字で説明する場面が少なくありません。
損益分岐点とは、利益がゼロになる売上高を示す指標で、費用を固定費と変動費に分解して初めて見えてくる数字です。
まずは基本的な定義と、決算書を眺めているだけでは損益分岐点が分からない理由を押さえます。

損益分岐点の定義|売上高と総費用が一致する売上規模
損益分岐点は、売上高と総費用がちょうど一致して利益がゼロになる売上規模のことです。
費用を、売上に応じて増減する変動費と、売上に関わらず一定額が発生する固定費に分けることで初めて算出できる数字です。
ここでいう利益は、通常は営業利益を指します。
売上高が損益分岐点を上回れば黒字、下回れば赤字という、経営の分かれ目を示す指標です。
損益分岐点を金額で表したものが損益分岐点売上高です。
なぜ決算書を見ているだけでは損益分岐点が分からないのか|財務会計と管理会計の違い
決算書(損益計算書)は、株主や金融機関など社外の関係者に経営成績を報告するための「財務会計」の書類であり、そのままでは損益分岐点を読み取れません。
損益分岐点分析に使うのは、経営者が意思決定のために使う「管理会計」という別の枠組みです。
財務会計で集計した費用を変動費と固定費に組み替え、管理会計の変動損益計算書をつくって初めて、損益分岐点が姿を現します。
→ 関連記事:財務会計・税務会計・管理会計の違いとは?目的・役割から実務まで専門家が解説
出典:損益分岐点の計算方法と経営改善に向けた活用方法を教えてください。 | 経営課題解決メニュー | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト] 出典:2026年版 小規模企業白書(HTML版) 第2節 小規模事業者の経営リテラシー向上 | 中小企業庁 出典:損益分岐点分析の魔法:損益分岐点分析を活用し未知なる利益の扉を開けよう | 東京都よろず支援拠点
損益分岐点の計算に必要な3要素:固定費・変動費・限界利益
損益分岐点を計算するには、まず費用を正しく分解しなければなりません。
ここで登場するのが、固定費・変動費・限界利益という3つの要素です。
この3つの関係をつかんで初めて、損益分岐点売上高や損益分岐点比率を自分の手で計算できるようになります。
順を追って整理します。
固定費と変動費の違い|売上に関係なく発生するか、比例して増減するか
変動費とは、売上に比例してかかる費用のことで、原材料費や仕入商品などが代表例です。
固定費とは、売上に関わらず一定的にかかる費用で、正社員の給与や店舗の家賃などが該当します。
日本政策金融公庫のコラムでも、固定費の例は事務所家賃・役員報酬・給与・通信費・顧問料、変動費の例は仕入・外注加工費・配送料・販売手数料です。
分類に迷う費目は、次の章で業種別に整理します。
限界利益・限界利益率・変動費率とは
限界利益とは、売上高から変動費を差し引いた金額で、固定費の回収に貢献する利益です。
混同されやすいのが粗利益(売上総利益)との違いで、両者は必ずしも一致しません。
粗利益は売上高から売上原価を差し引いた金額ですが、その売上原価の中に固定費が含まれている場合があるためです。
限界利益率とは、売上高の中で限界利益が占める割合のことで、変動費率(変動費÷売上高×100)と表裏の関係にあります。
変動損益計算書のつくり方|限界利益-固定費=営業利益
変動損益計算書では、通常の損益計算書とは異なる計算をします。
「売上高-変動費=限界利益」「限界利益-固定費=営業利益」という2段階の式で、費用の中身を可視化するのがポイントです。
損益分岐点は、この営業利益がゼロになる売上高を意味します。
→ 関連記事:営業利益・経常利益・純利益の違いとは?5つの利益の関係と経営分析のコツも

出典:損益分岐点を使った目標売上高 | 起業支援 | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト] 出典:固変分解と変動損益計算書で中小企業の利益を見える化しよう(中小機構 価格転嫁対策特設サイト コラム) 出典:第4回 売上予測と損益分岐点分析をしよう │ START 政策金融公庫の創業支援 出典:損益分岐点の計算方法と経営改善に向けた活用方法を教えてください。 | 経営課題解決メニュー | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
固定費・変動費の分け方は業種で異なる|中小企業庁の基準で正しく分類する
「この費用は固定費と変動費のどちらだろう」という判断は、実務で最も迷う場面です。
中小企業庁は、製造業・卸売業/小売業・建設業という業種ごとに、勘定科目レベルで固定費・変動費の分類基準を示しています。
これは平成15年度調査『中小企業の原価指標』の費用分解基準を、中小企業庁BCP策定運用指針が転記したものです。
同じ費目でも業種によって扱いが逆転するケースがあるため、順に確認していきます。
固変分解の進め方|迷ったら固定費に入れておく
固定費と変動費を分ける作業が、固変分解です。
中小機構は、①売上との関係性で判断する、②過去3か月のデータを使って分類する、という2つのヒントを挙げ、まずはシンプルに分けることを勧めています。
「固定費か変動費かが不明な費用は固定費に算入しておけば固めの計算が出来ます」というのが、中小企業庁が示す実務のヒントです。
人件費や広告費、リース料など迷いやすい費目も、この考え方で振り分けられます。
【製造業】固定費・変動費の分類基準
中小企業庁『中小企業の原価指標』(平成15年度調査)の費用分解基準を、中小企業庁BCP策定運用指針が転記したものによると、製造業では労務費(直接・間接とも)を固定費、外注費を変動費に分類します。
主な費目は次の通りです。
→ 関連記事:労働分配率とは?計算方法から業種別目安、危険信号まで5つのステップで徹底解説
| 区分 | 主な費目 |
|---|---|
| 固定費 | 直接労務費、間接労務費、福利厚生費、減価償却費、賃借料、保険料、修繕料、水道光熱費、旅費、交通費、その他製造経費、販売員給料手当、通信費、支払運賃、荷造費、消耗品費、広告費、宣伝費、交際・接待費、その他販売費、役員給料手当、事務員(管理部門)・販売員給料手当、支払利息、割引料、従業員教育費、租税公課、研究開発費、その他管理費 |
| 変動費 | 直接材料費、買入部品費、外注費、間接材料費、その他直接経費、重油等燃料費、酒税 |
支払運賃や荷造費も、製造業では固定費として計上されます。
外注費は反対に変動費へ区分され、労務費とは扱いが分かれる点も特徴です。
【卸売業・小売業】固定費・変動費の分類基準
同じ基準で卸売業・小売業を見ると、支払運賃は製造業とは逆に変動費に区分され、売上原価も変動費として扱われます。
卸売業では車両燃料費・車両修理費・保険料に「50%」という按分の指定が付く一方、小売業ではこれらをすべて固定費とします。
主な費目は次の通りです。
| 区分 | 主な費目 |
|---|---|
| 固定費 | 販売員給料手当、車両燃料費(卸売業の場合50%)、車両修理費(卸売業の場合50%)、販売員旅費、交通費、通信費、広告宣伝費、その他販売費、役員(店主)給料手当、事務員(管理部門)給料手当、福利厚生費、減価償却費、交際・接待費、土地建物賃借料、保険料(卸売業の場合50%)、修繕費、光熱水道料、支払利息、割引料、租税公課、従業員教育費、その他管理費 |
| 変動費 | 売上原価、支払運賃、支払荷造費、支払保管料、車両燃料費(卸売業の場合のみ50%)、保険料(卸売業の場合のみ50%) |
小売業では、車両燃料費・車両修理費・保険料のすべてが固定費という扱いです。
【建設業】固定費・変動費の分類基準
建設業ではさらに扱いが変わり、労務費は製造業と正反対に変動費へ分類されます。
動力・用水・光熱費も、完成工事原価に含まれる分は変動費、一般管理費に含まれる分は固定費と、同じ費目でも計上場所によって区分が分かれます。
主な費目は次の通りです。
| 区分 | 主な費目 |
|---|---|
| 固定費 | 労務管理費、租税公課、地代家賃、保険料、現場従業員給料手当、福利厚生費、事務用品費、通信交通費、交際費、補償費、その他経費、役員給料手当、退職金、修繕維持費、広告宣伝費、支払利息、割引料、減価償却費、動力・用水・光熱費(一般管理費のみ)、従業員教育費、その他管理費 |
| 変動費 | 材料費、労務費、外注費、仮設経費、動力・用水・光熱費(完成工事原価のみ)、運搬費、機械等経費、設計費、兼業原価 |
このように、同じ費目でも業種によって固定費か変動費かが変わる点こそ、固変分解で最も注意すべきポイントです。

出典:損益計算書の内訳の作り換え(中小企業BCP策定運用指針/中小企業庁)
損益分岐点の計算方法【計算式・計算例】
固定費・変動費・限界利益の意味が分かったところで、実際に損益分岐点売上高を計算してみます。
基本となる計算式はシンプルで、固定費を限界利益率で割るだけです。
ここで確認するのは、J-Net21と中小機構が公開している具体的な例題です。
損益分岐点売上高の計算式|固定費÷限界利益率
損益分岐点では利益がゼロになるため、「固定費=限界利益」という関係が成り立ちます。
この関係から、損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率、あるいは損益分岐点売上高=固定費÷(1-変動費率)という式が導かれます。
限界利益率が高いほど、少ない売上高で固定費を回収できる計算です。
損益分岐点販売量の計算例
J-Net21が示す例題では、仕入800円・販売価格1,000円の商品を扱う場合、1個あたりの限界利益は200円です。
固定費が30万円だとすると、損益分岐点販売量は30万円÷200円=1,500個、損益分岐点売上高は1,000円×1,500個=150万円と求められます。
数量ベースで求めても金額ベースで求めても、たどり着く答えは変わりません。
目標利益を達成するための必要売上高の計算式
損益分岐点は利益ゼロのラインにすぎず、実務で見るのは目標利益を上乗せした売上高です。
中小機構の例では、固定費1,000万円・限界利益率40%の会社が損益分岐点売上高2,500万円に加えて目標利益500万円を狙うなら、必要な売上高は(1,000万円+500万円)÷40%=3,750万円です。
J-Net21も「必要売上高=(固定費+目標利益)÷(1-変動費率)」と同じ考え方を示しています。
出典:損益分岐点を使った目標売上高 | 起業支援 | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト] 出典:損益分岐点の計算方法と経営改善に向けた活用方法を教えてください。 | 経営課題解決メニュー | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト] 出典:固変分解と変動損益計算書で中小企業の利益を見える化しよう(中小機構 価格転嫁対策特設サイト コラム)
損益分岐点比率・安全余裕率で経営の安全度を数値化する
損益分岐点売上高が計算できたら、それを実際の売上高と比べることで、自社の経営がどれだけ安全圏にあるかを数値化できます。
ここで使う指標が、損益分岐点比率と安全余裕率です。
なお、この2つの指標について「何%以下なら優良」といった基準は、公的機関からは示されていません。
紹介するのは、実績データと算式の読み方だけです。
損益分岐点比率とは|損益分岐点売上高÷実際の売上高
損益分岐点比率は、実際の売上高に対する損益分岐点売上高の割合を見る指標で、損益分岐点比率(%)=損益分岐点売上高÷売上高×100で求めます。
東京都よろず支援拠点の例では、固定費650万円・限界利益率0.6なら損益分岐点売上高は650万円÷0.6=1,083.3万円です。
実際の売上高が1,000万円なら比率は108.3%となり、損益分岐点に届かない赤字の状態を示します。
【実績データ】企業規模別の損益分岐点比率(2026年版小規模企業白書)
2026年版小規模企業白書(資料:財務省「法人企業統計調査年報」令和6年度決算実績)によると、損益分岐点比率は大企業66.9%、中規模企業89.1%、小規模企業96.7%です。
ここでいう企業規模は、資本金10億円以上を大企業、資本金1千万円以上1億円未満を中規模企業、資本金1千万円未満を小規模企業と定義したもので、従業員数による区分ではありません。
この数値の読み方と限界|「目安」ではなく実績平均であること
金融業と保険業は、この統計の対象外です。
白書自身も「販売費及び一般管理費」を固定費、「売上原価」を変動費として算出しており、実際には売上原価の中に固定費が、販売費及び一般管理費の中に変動費が含まれている可能性もあると注記しています。
この数値はあくまで実績の平均であり、「何%以下なら優良」「何%を超えたら危険」という公的な目安・基準ではありません。
安全余裕率とは|売上が何%落ちても赤字にならないか
安全余裕率とは、売上高が減少してもどこまでなら損失が生じないかを示す指標です。
安全余裕率=(売上高-損益分岐点売上高)÷売上高×100%で求めます。
損益分岐点が低く、高い売上高を確保している企業ほど安全余裕率は高くなります。
逆に、実際の売上高が損益分岐点を下回る企業では、安全余裕率はマイナスの値。
なお、2つの算式を見比べると、損益分岐点比率と安全余裕率の合計は100%になります。

出典:損益分岐点分析の魔法:損益分岐点分析を活用し未知なる利益の扉を開けよう | 東京都よろず支援拠点 出典:2026年版 小規模企業白書(HTML版) 第2節 小規模事業者の経営リテラシー向上 | 中小企業庁 出典:損益分岐点の計算方法と経営改善に向けた活用方法を教えてください。 | 経営課題解決メニュー | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
損益分岐点を下げて利益体質をつくる方法
損益分岐点は、計算して終わりにするのはもったいない数字です。
損益分岐点を下げるアプローチは、大きく分けて価格・変動費・固定費の3方向です。
公的機関が示す着眼点と、自己流の分類がぶつかりやすい壁を整理します。
損益分岐点を下げる3つのアプローチ|値上げ・変動費削減・固定費削減
J-Net21は、損益分岐点を下げる方法として、①販売価格を上げる、②単位あたりの変動費(変動費率)を下げる、③固定費を削減する、の3つを挙げています。
同じ金額の利益改善でも、固定費の削減が損益分岐点に与える影響は特に大きいとされる点が特徴です。
東京都よろず支援拠点も、①売上高を高める、②固定費を下げる、③限界利益率を高める、という3つの着眼点を示し、方向性はおおむね共通しています。
自己流の固定費・変動費分類には限界がある|専門家に相談する判断基準
3章で示した業種別の基準や固変分解のヒントを踏まえても、勘定科目の按分(家賃の一部を製造原価に含めるかどうかなど)は、実務上とりわけ判断が割れやすい領域です。
自己流の固変分解のまま損益分岐点比率や安全余裕率を計算すると、実態とずれた数字をもとに経営判断をしてしまうおそれがあります。
判断に迷う費目が多い場合や、比率の解釈に不安がある場合は、税理士など専門家の視点を借りるのも一つの方法です。

出典:損益分岐点の計算方法と経営改善に向けた活用方法を教えてください。 | 経営課題解決メニュー | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト] 出典:損益分岐点分析の魔法:損益分岐点分析を活用し未知なる利益の扉を開けよう | 東京都よろず支援拠点
損益分岐点分析を資金調達・経営計画に活かす方法
損益分岐点は、算出して終わりにすると経営判断には結びつかない指標です。
損益分岐点売上高・損益分岐点比率・安全余裕率は、資金調達の資料づくりや日々の経営管理にも活かせる材料になります。
実務に落とし込む場面は、大きく2つです。
経営計画書・資金調達の資料に損益分岐点を落とし込む
事業計画書や資金調達の相談資料では、「いくら売れば黒字になるのか」「どこまで売上が落ちても事業を続けられるのか」を数字で説明する場面があります。
損益分岐点売上高・損益分岐点比率・安全余裕率は、こうした問いに具体的な数字で答えるための材料になります。
金融機関の審査基準そのものを示すものではありませんが、自社の状況を客観的に伝える手段の一つです。
損益分岐点を月次の予実管理に組み込む
損益分岐点は、一度算出して終わりにせず、月次の実績と突き合わせて初めて経営改善に活きる数字です。
中小機構は、過去データの収集→固変分解→限界利益率の算出→損益分岐点の算出と売上目標の設定という4ステップを、実践的な流れとして紹介しています。
この流れを毎月の予実管理に組み込むことで、計画と実績のずれに早く気づけるようになります。
→ 関連記事:【専門家が解説】予実管理とは?目的から簡単な始め方、失敗しない5つのコツまで
出典:固変分解と変動損益計算書で中小企業の利益を見える化しよう(中小機構 価格転嫁対策特設サイト コラム)
損益分岐点の把握や固変分解の相談はEncoachへ

固定費と変動費の分解や損益分岐点の計算は、一度理解すれば難しくありませんが、自己流のまま進めると業種特有の判断や比率の読み方でつまずきやすい領域です。
Encoach株式会社は、財務・会計・税務の実務に精通したメンバーが、損益分岐点分析を含む財務コンサルティングを行っています。
自社の数字の見方に迷ったときや、経営計画書に落とし込む段階で確認したいことがあるときも、気軽に相談できる窓口として活用できます。
特に損益分岐点比率や安全余裕率の解釈は、自社の状況によって意味合いが変わるため、第三者の視点を交えて確認するのも一つの方法です。
財務・会計・税務でお困りの際は、LINEからお気軽にご相談ください。
損益分岐点についてよくある質問
Q1. 損益分岐点比率はどのくらいが理想ですか?
損益分岐点比率について、「何%以下が理想」と明記した公的な基準は見当たりません。
2026年版小規模企業白書によると、損益分岐点比率は大企業66.9%、中規模企業89.1%、小規模企業96.7%です(金融業・保険業を除く実績平均)。
この数値は目標値ではなく、自社の立ち位置を確認する参考データとして読むものです。
Q2. 損益分岐点比率が100%を超えるとどうなりますか?
損益分岐点比率が100%を超えている場合、損益分岐点売上高に実際の売上高が届いていない赤字の状態です。
東京都よろず支援拠点の例では、固定費650万円・限界利益率0.6の会社で実際の売上高が1,000万円のとき、損益分岐点比率は108.3%となり、赤字経営の状況にあると説明されています。
比率が100%に近いほど、黒字化までの距離は近い状態です。
Q3. 損益分岐点の計算に自信がない場合、どこから手をつければいいですか?
まずは費用を①明らかに変動費、②明らかに固定費、③どちらか分からないもの、の3つに大まかに分けてみることから始められます。
中小機構は、判断に迷う費用は過去3か月分のデータを見て分類する方法を紹介しており、それでも不明な費用は固定費に入れておけば固めの計算になる、と中小企業庁も述べています。
細かく考えすぎず、シンプルに分けるのがポイントです。
Q4. 損益分岐点とP/L(損益計算書)はどう関係していますか?
P/L(損益計算書)は、株主や金融機関への報告を目的とした財務会計の書類で、そのままでは損益分岐点を読み取れません。
損益分岐点分析を行うには、P/Lで集計した費用を変動費と固定費に組み替えて、管理会計の変動損益計算書をつくらなければなりません。
決算書を眺めているだけで損益分岐点が分からないのは、この組み替え作業が挟まるためです。
Q5. 損益分岐点と収支分岐点は何が違いますか?
損益分岐点は、利益(通常は営業利益)がゼロになる売上高を指す会計上の概念です。
一方、収支分岐点は、費用の支払いと売上の入金がキャッシュベースで一致する(経常収支がゼロになる)売上高を指し、両者は似ているようで前提が異なります。
→ 関連記事:収支分岐点とは?計算式と目標売上高の出し方を解説
出典:収支分岐点と資金計画について – 国が設置した無料の経営相談 新潟県よろず支援拠点(公式)
まとめ:損益分岐点を正しく把握し、経営判断に活用しよう
損益分岐点とは、利益がゼロになる売上高のことで、費用を固定費と変動費に正しく分解できて初めて、経営判断に使える数字になります。
固定費・変動費の分け方は業種によって扱いが逆転する費目があり、中小企業庁の基準で確認することが欠かせません。
また、損益分岐点比率や安全余裕率の理想値は公的機関から示されておらず、自社の実績推移で読むのが実務的な使い方です。
まずは直近3か月の費用を固定費・変動費に分けてみることから始め、判断に迷う費目があれば専門家に相談してみましょう。
まずはお気軽にご相談ください。